今回はツボの紹介ではなく、「お灸」についてお伝えしようと思います。
ツボは指圧するだけではなく、温めても有効なツボがあります。
温めるのに持ってこいなのがお灸なのです。
そんなお灸の基礎知識を紹介しましょう。

お灸

そもそもお灸って何でしょう。

一般的にはモグサと呼ばれるヨモギの葉っぱの裏にある繊毛(せんもう:細い毛のこと)を精製し、ツボの上に置いて燃やすことで、温熱の刺激で体調を整える治療のことです。

お灸のメカニズムは全て解明されておらず、不明なことも多いようです。
しかし、その効果は免疫力の強化、新陳代謝向上、冷え性の改善、婦人科経疾患の予防など、多岐にわたります。

お灸の起源は諸説ありますが、2000年以上前に中国の北部で発祥した説、それよりも前にインドやチベットで発祥したという説等があります。
日本には6世紀頃に仏教が伝わるのと同じくして伝わったようです。
かの有名な松尾芭蕉の「奥の細道」にもお灸について書かれています。

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。
~中略~
もも引の破をつづり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかかりて・・・」

この「三里に灸するより」というのは足三里というツボにお灸をすることが、旅する時には一般的だったようです。

お灸で使うモグサって?

ではお灸で使うモグサって何なのでしょう?
モグサはヨモギの葉っぱの裏に付いている、繊毛と呼ばれる薄い毛を精製し作られます。
ヨモギとはどこにでもあるキク科の多年草のことです。
よもぎ餅でもヨモギって有名ですよね。

ヨモギには整腸作用や利尿作用、解熱効果や止血効果がある薬草として、煎じて飲んだり、お風呂に入れたりして使われてきました。

このヨモギの葉の裏の繊毛を乾燥させて作るモグサには、燃やすと独特な香りを放ちます。
この香りにはシネオールと呼ばれる成分が含まれており、爽やかでスッキリした香りのため、リラックス効果があるとされています。
シオネールはローリエやローズマリーの葉にも含まれている成分です。

今のお灸は熱くない?

お灸は「熱くて火傷するんじゃ」なんてイメージを持ってる人もいるんじゃないでしょうか?
たしかに昔は、お灸によって皮膚を火傷することが多かったようです。
しかし、今のお灸は火を使わない温熱効果のお灸「無痕灸」というものも発売されています。

特に「せんねん灸」商品は火を使うもの、使わないものなど、お灸のバリエーションが豊富です。

お灸に興味を持ったら、是非トライしてみてください。